酒悦について
トップメッセージ / ご挨拶

平素より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
1675年(延宝3年)の創業以来、酒悦は三百五十年という長きにわたり、日本の食卓に寄り添い、皆様に愛される味を追求してまいりました。「酒が悦ぶほどうまいもの」という屋号に込められた想いを胸に、福神漬やのり佃煮をはじめとする伝統の味を守り続けるとともに、時代の変化にも応じた新しい美味しさのご提案にも努めております。
これもひとえに、長年にわたり酒悦を支えてくださったお客様、お取引先様、そして地域社会の皆様のおかげと深く感謝しております。
これからも私たちは「純な心、粋な味」、食を通じて皆様の暮らしに豊かさと「悦び」をお届けできるよう、社員一同、誠意をもって務めてまいります。今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
株式会社酒悦
代表取締役社長 松田 和久
酒悦の歩み
三百五十年の歴史物語 江戸から令和へ、受け継がれる味の系譜

創業ものがたり:伊勢から江戸、そして上野へ
酒悦の歴史は、江戸時代初期の1675年(延宝3年)に遡ります。
創業者である初代 野田清右衛門は、伊勢国山田(現在の三重県伊勢市)より江戸へ出て、本郷元町に海産物を商う「山田屋」を開きました。当初は故郷伊勢の海産物を扱っていましたが、やがて店を当時の文化の中心地の一つであった上野池之端、寛永寺の門前町へと移しました。

屋号「酒悦」の由来:御門跡より賜りし名
上野池之端に移った山田屋は、海産物に加え、「うに」や「このわた」といった酒の肴となる珍味類、海苔や香煎※なども扱うようになり、その品質の高さから近隣の寺院へも出入りするようになりました。中でも、東叡山輪王寺の御門跡がその味を大変高く評価され、「酒が悦ぶほどうまいもの」との意を込めて「酒悦」の屋号を賜りました。この名は、私たちのものづくりの精神として、今も脈々と受け継がれています。
※大麦や米の粉を炒ったものに、シソ、山椒、ミカンの皮などの粉を混ぜて白湯を注いで飲む、風味豊かな粉末飲料のことです。 もともと、お茶が仏事に使われることが多かった時代に、おめでたい席で茶の代わりにふるまわれていた飲み物で、酒悦(当時は山田屋)でも取り扱いしておりました。

酒悦ロゴマークの由来:商売繁盛を願う「砂金袋」
その想いは、屋号と共に掲げる私たちのロゴマークにも深く刻まれています。このロゴマークは、古くから縁起物とされる「砂金袋」をかたどったもの。お客様に悦びをお届けすることで商いが栄え、その悦びが末永く続くようにとの願いが込められています。江戸の粋と商売繁盛への祈りを込めたこの印は、時代を超えて酒悦の志を今に伝えています。

元祖の誕生:福神漬・のり佃煮
時代が明治に移ると、十五代当主 野田清右衛門は、新しい時代の食を見据え、創意工夫に情熱を注ぎました。江戸時代末期には「のり佃煮」を発明したと伝えられています。そして明治10年頃、約10年の歳月をかけて、それまでの塩漬けとは一線を画す、醤油とみりんを用いた画期的な醤油漬「福神漬」を創り上げました。大根、茄子、蕪、うり、しそ、蓮根、刀豆(なたまめ)の七種の野菜を使うことから、当時の流行作家・梅亭金鵞(ばいていきんが)に、「おかずいらずでお金が貯まる」と不忍池の弁財天(七福神の一つ)にちなみ、縁起の良い食べ物 「福神漬」と命名いただきました。
沿革
| 1675年(延宝3年) | 初代 野田清右衛門、江戸本郷にて「山田屋」創業。 |
|---|---|
| 江戸中期 | 上野池之端へ移転、屋号「酒悦」を賜る。 |
| 江戸末期~明治初期 | 十五代 野田清右衛門、「のり佃煮」を発明したとされる 。 |
| 1878年(明治10年)頃 | 十五代 野田清右衛門、「福神漬」を発明 。 |
| 1883~1884年(明治16~17年)頃 | 梅亭金鵞により「福神漬」と命名 。 |
| 1983年(昭和58年) | 東洋水産株式会社のグループ会社となる。 |
私たちのこだわり、受け継がれる味と技
本物の味を、食卓へ。変わらぬ想いと確かな技。
酒悦の味は、三百五十年以上受け継がれてきた「こだわり」によって支えられています。

厳選された素材
私たちは、製品の基本となる素材選びに妥協しません。福神漬に使用する七種の野菜をはじめ、佃煮や惣菜に使う海の幸、山の幸も、その時期に最も良い状態のものを厳選しています。近年では、より安心してお召し上がりいただけるよう、国産原料の使用にも積極的に取り組んでいます。
伝統の製法
創業以来、私たちは「時間をかけてていねいに作り上げる」という基本姿勢を守り続けています。
例えば、福神漬には木桶で天然醸造された芳醇な丸大豆醤油をベースにした特製調味液を使用し、低温でじっくりと漬け込み熟成させています。このような伝統的な製法と、長年培ってきた職人の経験と勘が、酒悦ならではの深みのある味わいを生み出しています。
品質への約束
お客様に安全で安心な製品をお届けすることは、私たちの最も大切な使命です。
伝統的な製法を守りつつも、現代の基準に則った厳格な品質管理体制を構築しています。
東洋水産グループの一員として、グループ全体の知見や技術も活用し、日々品質の向上に努めています。
上野と共に、お客様と共に
街に愛され、食卓に寄り添う。

上野という土地
酒悦は、創業間もない頃から上野の地に根ざし、街の発展と共に歩んでまいりました。
文化と歴史が息づくこの街で、私たちはこれからも地域の皆様に愛される存在であり続け、全国のお客様にこだわりの美味しさを発信していきたいと願っています。
店舗という接点
上野本店舗は、私たちにとってお客様と直接ふれあえる大切な場所です。
三百五十年以上続く伝統の味はもちろん、季節限定の商品やギフトセットなど、豊富な品揃えでお客様をお迎えいたします。ぜひお立ち寄りいただき、酒悦の世界をご体験ください。